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よもつひらさか往還(倉橋由美子)

よもつひらさか往還よもつひらさか往還
(2002/03)
倉橋 由美子

商品詳細を見る




久しぶりの倉橋由美子。

倉橋ワールド堪能,満喫。
連作短編集

綺麗な絵をみているような,写真を見ているような。
古典の素養を含めながら,現代的なモチーフあるいは未来的な物語。
おとぎ話で,哲学で,現実で,幽玄で,無限。

この世界観を表現する言葉なんか,とても持っていない。
こんなに素敵な世界を読ませていただいて,とても嬉しい。

桂子さんの義理の孫にあたる慧が,九鬼さんのカクテルで,さまざまな世界を旅する。

あ゛~。こうやって書くとなんともありきたりで泣けてくる...


その世界では,なんでもありだ。
時空も現実も,非現実も,種別や性別,そんなものは意味を持たない。
古典やギリシャ神話とかがモチーフとして現れる一方で,スクロールや救急車など,あたりまえの現実も普通に織り込まれてなお,違和感なし。
それに,設定が幽玄でハイソなのに,とても地に足がついた価値観が生きている。

使われている言葉は,特別難しいものではないのに,品がある。
まあ,むろん,見たこともないような熟語も出てくるのだけど。
平易な言葉でわかりやすく,その上,品がある。

知的な遊び。

植物的でありながら,快楽への探求心も旺盛で。
あらゆる意味でバランスした世界。


倉橋さんが寡作だったのは,残念で,だけど,だからこそこの世界のひとつひとつが紡ぎ出されたと思うと,それはそれで,いいのだ。と思う。


どの短編がいいとか悪いとか,選ぶこともできないけれど,「海市遊宴」(舞さんと雨の一夜),「髑髏小町」(髑髏と共棲),「緑陰酔生夢」(妖怪の奥様),「落陽原に登る」(麻姑の手の人形),あたりが印象深いかな。あと,最後のも余韻があって好き。

ああ,楽しかった~。

☆☆☆☆


#ちなみに,文庫は,もっとべたっとしたイラストの表紙。

以下,抜き書き

P.36
「人生足別離」

宇武陵の五言絶句。

「サヨナラ」ダケガ人生ダ。


P.91
「妖怪でも,人の奥さんをやっていると,年はとるものです」
慧君はそこで言葉に詰まった。苦労をかけたね,というような月並みな言葉が出ることを恐れたのである。しかし月並みなことを言いたい衝動にも駆られた。


P.145
「分子レベルで理解できるような人とはもうそれ以外のことをする必要もない。だから結婚することもない。でも慧君を失いたくない。時には床を並べて夜の雨を聴く。それができたので嬉しい。」


P.226
見てはならないと言われたものはかならず見ることになる。

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きよ

Author:きよ
100冊強/年程度の読書量。
せっかく,ずっとメモしていた読書記録を残そうかと。
過去15年くらい,どこまでさかのぼれるか,挑戦。あくまで手元のメモを元にしているので,過去になるほど,てきとー。
近頃、ドラマ三昧。
ドラマレビューの台詞は、超意訳の場合がほとんどです。
コメントも、ありがたいです。どうぞご遠慮なく。

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