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親指の恋人(石田衣良)

ケータイで、出会い系で知り合った二人の。という触れ込みだったので、明るい恋愛ものかと思いきや、重くて重くて死ぬかと思った...

私は、客観的には勝ち組の澄雄の側の目線が自然だった。
絶対ヒルズに住むような日は来ないけど。
でも、愛されて育って、お金にこんな苦労したことがないだけで、たぶん満たされているから。
澄雄の心には穴が開いていて、それは私と違うけど。

二人は幸せだったのか否か。
たぶん、二人は幸せだと思って死んだんだろう。
愛で満たされて。

けど、本当は死んだらそれだけでもう幸せじゃないと思う。
死を選ぶことが最善に感じる状態がもう幸せじゃないから。
何が悪かったわけでもなく、悪いタイミングに悪い二人が知り合ってしまった結果に思える。

こういう不幸のドミノ倒しは物語でも好きではないけど、ものすごく考えさせられた。
借金取りの言葉。
「おまえはまだほんとうに負けが込んだ人間というのを観たことがないんだ。あれはもう人間とはいえない」

恐ろしい言葉。だけど、きっと本当だと思う。
そういう存在は確かにある。
澄雄はそれに引きずり込まれた。
引きずり込まれたことが悪いのか。
何度も、考える。

私は、逃げる。
というより、本能的に避けているんだな、といつも思う。
まわりに度を超した不幸が発生しないので。
離婚ですら、起こらない。

あるいは、不幸が怖いから、全力で逃げているだけかもしれない。
それは薄情かもしれないけど、自己防衛という意味では正しい。

だから、澄雄よりむしろ澄雄の父の心境が一番近いのかもしれない。
「科学やテクノロジーがいくらすすんでも、最後に頼るのはそこだ。澄雄はしらないだろうが、金融の世界の人間がどれほど運を大切にするか、実際に見たら驚くだろうな」
運。
瞬発力と持久力があるように、運も単発的なものと、長期的なものがきっとあって、私はたぶん、長期的に幸運な人間で、それをとてもありがたく恵まれていると思っているし、大事にもしている。
だから、不幸なものは怖くて、逃げようとしてしまう。

悪いときに悪いタイミングで、生命力の弱い人間が出会い、死んでいった。
石田衣良は、本質的にたくましい人間を描くことが多いので、とても珍しい物語だった。

☆☆☆+








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テーマ : 読んだ本。    ジャンル : 本・雑誌


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きよ

Author:きよ
100冊強/年程度の読書量。
せっかく,ずっとメモしていた読書記録を残そうかと。
過去15年くらい,どこまでさかのぼれるか,挑戦。あくまで手元のメモを元にしているので,過去になるほど,てきとー。
近頃、ドラマ三昧。
ドラマレビューの台詞は、超意訳の場合がほとんどです。
コメントも、ありがたいです。どうぞご遠慮なく。

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